緑の上海2005年05月16日 23:57

 2005年1月5日に上海に赴任して以来、すでに4ヶ月半を経過した。

 当初、上海の中国人たちはさすがに国際都市だけあって、日本人を含めた外国人に対して、寛容で親切な人が多いなぁという印象を持った。しかし、4月の上海における反日デモで、その印象がいかに危なっかしいものであるかと考えさせられるこの頃である。

 もうすでに事態は沈静化しているように見えるので、この問題は過去の話題になりつつあるけれど、デモのあとの中国人とのわずかな会話などについて、あらためて書きたいと思っている。

 上海で生活を初めて、すぐに思ったのは、ゴミの分別が全くなされておらず、上海市だけでも千七百万人以上の人口を抱えて、環境の悪化という面では大変心配な状態だなぁと言うことである。中国全体を考えればもっと深刻である。
 ただ、毎日通勤で行き来する我がアパートと勤務先である松江工業区を結ぶハイウェイ沿いを見ていると、開発に際して緑化にはかなり気を遣っているであろうことに気がつく。比較的広い範囲で緑地帯をもうけているのだ。

 冬の間は、上海は随分緑が少なく殺風景だと感じていたが、3月末から5月にかけてどんどん緑が増え、花も咲き始めると、少々印象が変わってきて、そういった緑化に対する配慮という面にも気がついたと言うことになろうか。

 環境、公害といった面で、米国当たりからも中国の環境政策に非難の声があるようで、それは確かに地球環境に対する現在の大きな問題であることは間違いないが、巨大な国を急速に発展させながら、経済以外の面でゆっくりと動いている中国が、そう遠くない将来、環境対策に取り組むようになるであろうことを期待したい。

 ところで、ハイウェイ沿いにはキョウチクトウの木がたいへん多く、先週末から花を付け始めた。先週の段階では、「白い花ばかりだなぁ」と思っていたが、今日は赤い花もちらほらと見えるようになった。両方咲きそろえばさらに華やかになるであろう。
 この沿線では、梅、桃、それに日本ではあまり見かけない桐の花の群生など、いろいろな花が目を楽しませてくれる。

 花に関して言えば、4月の初めに車で南京に出張したときに、ハイウェイから見た一面の菜の花がとても印象的で、ゆっくり鑑賞したいものだと思った。あれだけ広い面積の菜の花畑は日本ではなかなかお目にかかれないし、ちょっと広い菜の花畑は日本ではすぐに観光地になるであろうと思う。

 いろいろな場所でいろいろな花を愛でながら、心を休めているこの頃である。

 海外駐在経験は今回が初めてであり、世界のいろいろな国との比較は難しいが、これから、その時々に見たこと、感じたこと、考えたことを綴ってみたい。

日本は好き!2005年05月17日 23:52

 少々旧聞ですみません。
 4月30日のこと。翌日からの連休を前に中国人マネージャのG君と上海の中心部へ出張することにした。
 彼は、普段同じ車に同乗する時は助手席に、私は後部座席に乗るのが常であるのに、この日は「今日は隣に座るよ」と言ってニッコリ笑った。彼は「座ります」というような丁寧語は苦手だ。
 そして、しばらく無言で上海中心部へ向かっていたが、おもむろに彼が切り出した。
 「明日は、デモはないよ」
 「どうしてそう言えるの?」
 「警備がすごいよ。総領事館の周りはコンテナーで一杯だよ。」
 彼は、先日のデモの次の週末に、私に
 「危ないよ。気をつけて。」
と言ってくれたので、私は反日デモのあとなんとなく気まずい雰囲気の他の中国人スタッフに比べて多少親近感を持っていた。
 確かに、日本総領事館の脇の道路にはけたたましいほどのコンテナーを並べてあるのをみて、私は「本気で警備する気だな」と思ってはいた。
 「安心していいよ」と彼は続けた。
そして、
 「私は日本人をよく知っているから、日本を悪いとは思わないよ。日本を知らない中国人があんなことをするんだよ。日本人はいい人たちだよ。」
 彼は、東京とその近辺に住んだことがあるのだ。
 先日、デモが過激化したことで、私はそれまで上海の中国人に持っていた親近感を失いかけていた。
 しかしこの日、この出来事と、中国人幹部女性の誘いで中国人スタッフ達と日本食の夕食を楽しんだことで、なんとなくホッとした思いだった。

中国人女性頑張る2005年05月22日 00:02

 (この記事は、上海時間21日の深夜の記事です)

 今月いっぱいで、頼りにしていたマネージャクラスの中国人が2人もやめると聞いて驚いた。いくつかの不満があることは知っていたが、それにしても簡単に転職するんだなあと、半ば諦めと残念な気持ちだ。2人ともふだん結構フランクなつきあいだと思っていたからなおさらだ。

 昨夜は、この2人とその後任1人、それと運転手の交代を含めた歓送迎会に参加した。

 総務担当のK嬢は若いのにいつもしっかりしていると感心しているが、こういう時はさらに男どもを統率して見事な幹事をやってくれる。日本の若い女性も任せてしまえばこれくらいやってくれるんだろうか。
 Z女史もにこにこしながら他の部長にも指示したりして会をもり立ててくれるし、小さい女の子のお母さんである営業のWさんもたいしてお酒が強うそうではないのに「乾杯」を挑んでくる。
 中国では(特に上海では)女性が強いと聞いているが、我が社の女性たちも、仕事だけでなく宴会でも頑張る。

 みんな、「乾杯」が結構好きだ。大きなビールのグラスを一気に飲み干すとヤンヤの拍手となる。相手を決めて挑戦されるので、体調の悪い時は、誰とも目を合わさないようにいじけていなければならない。

 昨夜は、比較的体調も良く、会社を去る人も含めたみんなと良く飲み、そのあとのカラオケも歌って、上機嫌で帰宅した。
 そのせいで、今朝の早朝テニスは欠席になってしまった。