麗江・シャングリラの旅(11)哈巴雪山2006年06月01日 08:20

哈巴雪山

虎跳峡からシャングリラに向かう道路から、はるかに哈巴(ハーパー)雪山の雄姿が見えた。

玉龍雪山ほどの華やかな雰囲気はないが、やはり周囲を威圧する雪山の姿は心に残る。

チベットとの省境の方に、梅里雪山という6740mの雪山がある。
これが雲南省の最高峰であり、その姿も最も美しいのではないかと思うが、今回の旅ではその姿を望見できる所はなかった。

残念。

麗江・シャングリラの旅(12)シャングリラの病院2006年06月02日 00:56

もともと日本での仕事を済ませて、その夕方の飛行機で上海へ、そして翌日早朝に麗江へ向かった妻は、最初から疲労が溜まっていた。

そして、高地を延々と車に揺られ、ついに妻は高山病に。

シャングリラのホテルに着いたときにはすっかり「ダウン」状態になってしまった。

そして病院へ。

すぐに酸素吸入と点滴を始めた。

「もっときれいなベッドはないの?」
と、同行してくれたガイドの劉さんが言ったが、どのベッドも同じよう。
ベッドの下には誰かの吐瀉物が入った容器が放置されていた。

劉さんがホテルで作らせた食事を運んできてくれたが、私はこの環境の中ではほとんど喉を通らなかった。(劉さん、ゴメン)

2室に8つのベッドがあったが、通院で点滴をする現地の人たちで、順次埋まっていった。
患者のお母さんに付いてきた小学生くらいの子供が、ちゃんとお母さんの世話を焼いている。

私が妻のベッドの横で立ったまま見守っていたら、部屋の反対側のベッドの患者に付き添っていた女性が、
「こっちに長椅子があるから、こっちへ来て座りなさい。」
と言ってくれた。

私は妻の横で良いからと立ったままだったが、その女性には丁重にお礼を言った(つもり)。
色の浅黒い彼女は、にこやかだった。

点滴を2本、薬も出してもらった「迪慶州医院*」。 
健康保険もないのに、しめて73元(約千円)。 人民の国中国は安いのだ。

もともとこの夜は、チベット族の村へ出掛ける予定だったが、私達夫婦は取りやめ。
こんな病院の体験も2度とない貴重なものとなった。


*注)香格里拉(シャングリラ)は、雲南省の迪慶チベット族自治州の香格里拉県。

麗江・シャングリラの旅(13)碧塔海2006年06月03日 18:39

碧塔海の駐車場付近で見た青空と澄みきった水

翌朝、昨夜の点滴のお陰で、妻はすっかり元気を取り戻していた。

だが、標高約3300mのシャングリラから、駐車場の標高が3600mくらいの碧塔海(湖)や、長い石段を登る松賛林寺は、携帯酸素の助けを借りないと、元気な私でもすぐに息が切れる。

碧塔海は、(大勢の観光客さえいなければ)静寂の原生林の中にひろがる澄みきった湖という風情。
目の前の湿原には、ヤクや馬の群が草を食む。
6月頃なら、しゃくなげなどの花が一面に咲いて美しいとのこと。
そんな頃にも来てみたい誘惑に駆られる。

しかし、真っ青な空をバックに樹々の緑が映えるここの景色は、いかにも「シャングリラ」の風景という印象だった。

この空の青さは、上海にはない。