bunbunの上海ひとり暮らし

あれからもう１週間たった。
私は先週の土曜の朝、トイレでポロポロ涙を流した。

悔し涙ではない。
なのに、どうしてトイレか？

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半年も前、重松清の『その日の前に』を読んで泣いた。
「最近、涙もろくって」
とそのことを娘にメールしたら、
「『君の友だち』の方がもっと泣けるよ」
と、もっと泣けと言わんばかり。
これも重松の本だ。

その本を最近ようやく読み始めたけれど、前半は、特に感涙にむせぶことはなかった。

先週の金曜は楽しい酒をたらふく飲んだせいで、土曜の早朝から少々お腹の調子がおかしかった。
これはトイレで長居することになりそう、ともう半分以上読んだ『君の友だち』を持ってトイレに入った。

ところが、調子が悪いはずなのに、ひどい便秘。
トイレからは出られず、本の方は１時間くらいで一気に最後のクライマックスにまで到達。

涙がポロポロ、ポロポロ。
しょうがないから、トイレットペーパをちぎっては何度も涙をぬぐった。

結局、トイレに入った目的は全く果たせず、赤い目をして、読み終わった本を持ってトイレから出た。