カルフールの見知らぬ女性2005年06月13日 19:39

カルフールのレジに並んだ。私の前に5人がカートに大量の商品を入れて並んでいる。

そこへ、横からカートを押した年配の女性が近づいてきた。

女。私のカートの中を指さし、「このジュースはどこに売ってるの?」
私。私の右後ろを指さし、「そこの棚の向こうだよ。」
女。「私もそのジュースが買いたいんだけど、順番を取られると嫌だから、カートはここにおいておくね。見てて下さい。」
私。「いいよ。どうぞ。」

なかなかその女性は戻ってこない。ジュースを買うだけでどうしてこんなに時間がかかるのかな、と思っていぶかっていたが、もうすぐ私の順番になる頃に戻ってきた。
アレッ、ジュースを持っていない。その代わり牛乳を1パック持っている。

女。「そのジュースって、2個いっしょじゃないと売ってないのね。2個じゃ多すぎるからやめたわ。その代わりこの牛乳にしたのよ。」
私。「あ、そう。」

やや上品そうなその女性は、すべて中国語である。そして私はすべて日本語である。それでもこのくらいのことは意志が通じるから不思議である。
はっきりわかったのはその女性が「ありがとう」を言わなかったことだ。

赤ちゃんがいます2005年06月15日 01:26

J君と、工場の近くの街へ出掛けた。
私の銀行カードの再発行のためである。
J君は無口だと思っていたが、銀行に到着するまでの車の中で私に話しかけてきた。
「子供は何人いますか?」
「娘と息子の2人だけど、2人とももう結婚して私達とは離れて暮らしているよ。」
「ちょっと寂しいですね。」
「寂しいけど、気楽になったね。息子のお嫁さんのお腹には赤ちゃんがいるから、私はもうすぐお爺ちゃんだよ。」
「そうですか。私の奥さんにも赤ちゃんがいます。7月には生まれる予定です。」
「あ、そう。おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「しかし、ちょっと計算が合わないね。結婚したのは1月じゃなかったかな。」
J君は何を訊かれたのかわからなかったらしく、しばらく無言の後、
「結婚式よりもっと前に役所に登録しましたから。」
「あ、そうか。結婚しないで子供ができちゃったってことじゃないからね。」
「中国では、結婚していないと子供を産めません。」
「エッ、そうなの。じゃあ、もし結婚するつもりもなくて子供ができたらどうするの?」
「子供ができる前に1日でも結婚していればいいから問題ないです。」
ヘーッ!! まじめな顔で淡々と喋るJ君の顔を、一瞬見つめてしまった。

上海横断歩道考2005年06月16日 13:03

私の住んでいるアパートのある団地周辺に、最近、信号機や横断歩道が随分整備された。
しかし、信号が設置されてから安全になったという気が全然しない。
何故だろう、と考えてみた。

中国は、米国などと同じく車は右側通行である。そして、米国と同じく、特に表示がなければ“常時右折可”なのである。
そこまでは別に問題ではないはず。ところが、歩行者優先ではないと言うのが問題なのだ。
横断歩道の信号が青の時と赤の時を比べてみよう。
1.信号が青の時
  (1) 歩行者と同じ方向を進む車が左折する。
  (2) 歩行者と反対方向に進む車が右折する。
  (3) 歩行者の左(または右)から車が右折する。
  この3方向に気をつけないと、横断歩道に人が居ようと居まいと車が突進してくる。
2.信号が赤の時
  中国人達と同じように、赤でも積極的に横断歩道を渡ったとすると、
  (1) 歩行者の右から直進する車。
  (2) 歩行者の左から直進する車。
  (3) 歩行者と同じ方向(または反対方向)からの車が右折する。
  やはり同じく3方向から車が突進してくるのである。

信号が青の時に渡っても、赤の時に渡っても、車は同じように「ブブーッ」と警笛を鳴らしながら突進してくるのである。だったら、「赤の時に渡っても同じだ」と中国人が考えてもあながち間違いではないとも言える。

先日は、カルフールの前で、歩行者がいるから停止していた車の運転手が、カルフールの交通整理のお兄さんに「早く行け!」と大声で怒られていたのを思い出す。彼らにとっては、歩行者が停まって待つのが当たり前なのだ。